引き継ぎ資料が厚すぎる問題
AIエージェント向けの「スキル」を作るとき、情報を厚く書くほど親切だと考えがちですが、Microsoftのこの記事はその発想に疑問を投げかけています。モデルはすでに多くの一般知識を持っているため、それを重ねて書いた説明は、限られたコンテキストの中で本当に必要な最新情報や作業中の文脈を押し出してしまいます。
まず「素のモデルで何ができるか」を測る
記事が提案する手順は、スキルを書き始める前に、モデル単体でどこまでこなせるかを測ることです。そのうえで、スキルはモデルが苦手な残りの部分だけを埋める最小限の内容に絞るべきだとしています。この「測ってから足す」という順序自体が、スキル設計の失敗の多くが技術不足ではなく足し算しすぎに起因することを示唆しています。
トークン予算という共有資源
肥大化したスキルは、そのスキル単体の精度を落とすだけでなく、同じ会話の中で使われる他のツールやスキルとのトークン予算の奪い合いにもつながります。人間に長すぎる引き継ぎ資料を渡すと肝心な一文が埋もれてしまうのと似た構造です。
プロンプトエンジニアリングとの共通点
「長く書けば書くほど良い」という発想は、プロンプトエンジニアリングの分野でもすでに見直されてきた流れと重なります。コンテキストを有限な共有資源として扱う視点は、スキル設計に限らず今後さらに重要になりそうです。前提となる評価方法はMicrosoft for Developersの記事で解説されています。