プレビュー中に集まったフィードバックを反映し、AWSは6月30日に「Amazon WorkSpaces for agents」を一般提供した。ERPやCRM、メインフレーム端末のような、改修コストが高すぎて長年手を付けられなかったデスクトップアプリを、AIエージェントに人間と同じ操作方法で扱わせるためのサービスだ。GA版ではMCPツール転送、リアルタイムセッション制御、ドメイン参加フリート対応が新たに加わった。
「画面を見て操作する」ことの意味
AIにシステムを操作させる方法は大きく2つある。ひとつはAPIを整備して直接呼び出させる方法、もうひとつは画面をスクリーンショットで見て人間のようにマウス・キーボード操作をさせる方法だ。前者は速く正確だがAPIがないシステムには使えない。WorkSpaces for agentsはMCPツール転送を使うことで、後者の「画面操作」方式でありながら、精度・遅延・コストの面で前者に近づけようとしている。
導入シナリオ
たとえば、API連携のない古い受発注システムをオペレーターが毎日手作業で入力しているような現場を想像してほしい。この方式なら、システム改修をせずにAIエージェントへ入力作業を任せられる可能性がある。ただしエージェントは、ドメイン参加フリート対応により既存のActive Directoryアカウントの権限をそのまま引き継ぐため、人間の従業員と同じ監査ログ・アクセスポリシーの対象になる。リアルタイムセッション制御でいつでも操作を止められるとはいえ、権限管理の運用ルールを人間向けとは別に見直す必要が出てくる企業も多いだろう。
評価
「AIにAPIを与える」のではなく「AIに人間の操作方法を学ばせる」という発想の転換は、レガシーシステムを抱える現場ほど刺さるはずだ。詳しい料金体系や対応リージョンはAWSの発表ページ(https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2026/06/amazon-workspaces-ai/)に記載されている。