AWSは6月30日、自社設計プロセッサ「Graviton5」を積んだEC2 C9g/C9gdインスタンスの一般提供を始めた。派手さのないアップデートだが、クラウドコストの高騰に悩む現場には見逃せないニュースだ。

スペックの伸び

前世代のGraviton4比で計算性能は最大25%向上し、キャッシュメモリは5倍に拡大した。ローカルNVMeストレージを積むC9gdと、積まないC9gの2系統が用意され、I/O要件に応じて選べる構成になっている。

具体的にどれくらい効くか

たとえば月間1000インスタンス時間分のCPU負荷の高いバッチ処理を回しているとする。単純計算で性能25%向上分だけ実行時間を短縮できれば、同じ処理を約800インスタンス時間相当でこなせる可能性がある。もちろんワークロードの特性次第で実際の恩恵は変わるが、コンピュート料金がインスタンス時間に比例する以上、CPUバウンドな処理ほど載せ替えの効果は数字に表れやすい。

選定のポイント

生成AIのニュースの陰に隠れがちだが、Gravitonのようなプロセッサ世代交代は、AIワークロードを支える裏方のコストにじわじわ効いてくる。すでにGraviton4で運用しているチームであれば、まずはステージング環境で自分たちのワークロードに対する性能差を計測してから載せ替えを検討するのが手堅い進め方だろう。料金や対応リージョンなどの詳細は、AWS News Blogの発表(https://aws.amazon.com/blogs/aws/amazon-ec2-c9g-and-c9gd-instances-powered-by-aws-graviton5-processors-are-now-available/)で確認できる。